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白石 健介; 坂本 宏*; 弥野 光一*; 乙黒 靖男*
Japanese Journal of Applied Physics, 31(1A-B), p.L17 - L20, 1992/01
被引用回数:3 パーセンタイル:22.53(Physics, Applied)焼結したBiPbSrCaCuOペレットの臨界電流密度を直接通電法によって、90Kから20Kの範囲の温度の関数として、1.0Tまでの磁場中で測定した。零磁場では、77Kで1.9MA・mであった臨界電流密度は、温度の降下に対してほぼ直接的に増加し、50Kで9.4MA・mになる。さらに温度を下げると臨界電流密度の上昇の割合はやや低下するが、20Kでは11.8M・mになる。温度を20Kに保って、1.0Tの磁場中で測定した後、この温度で磁場をかけないで測定すると臨界電流密度は8.6MA・mに低下する。零磁場で温度を上げていくと、低温で1.0Tの磁場をかけた効果は徐々に回復し、70Kでほぼ元の値になる。なお、70K以上の温度で磁場をかけて臨界電流密度を測定しても、それは零磁場で測定する臨界電流密度に影響を及ぼさない。
白石 健介*
応用物理, 61(7), p.722 - 725, 1992/00
電子線あるいはガンマ線照射による、電気抵抗率および臨界電流密度の変化に関する実験結果を基に、YBaCuOおよび(Bi,Pb)SrCaCuOの放射線照射効果について考察した。酸化物高温超電導材料の粒子線照射による、超電導転移温度および臨界電流密度の変化は、格子原子のはじき出しによるものとして理解できる。なお、非常にエネルギーの高いイオン照射では、熱スパイクによって生じる円柱状の非超電導相が、これらの超電導特性の変化に寄与する。ガンマ線の照射や荷電粒子と格子原子との電子的な相互作用によって、結晶粒界などの界面に生成するアモルファス層は、電気抵抗法で測定する臨界電流密度を低下させる。さらに、YBaCuOに比べて、(BiPb)SrCaCuOの方が、放射線照射に対する感受性が高いのは、アモルファス層が生成、成長し易いことによると考えられる。
白石 健介; 弥野 光一*; 乙黒 靖男*
Japanese Journal of Applied Physics, 30(7B), p.L1260 - L1263, 1991/07
被引用回数:16 パーセンタイル:65.26(Physics, Applied)焼結したBiPbSrCaCuOペレットにCoからの線を1.5MR/hの線量率で約50MRまで照射し、電気抵抗率の温度変化を測定した。照射前に103.4Kであった臨界温度は20.25MRまで照射すると104.1Kまで上昇し、その後照射を続けると2.010K/MRの割合で低下する。これに対して、300Kの電気抵抗率は約2MRから20MRまでの照射領域では0.1・m/MRの割合で増加し、約20MRから37MRの範囲では殆んど変化しない。臨界温度の低下が認められる高照射領域では電気抵抗率は減少する。これらのことは、線照射によって格子原子の再配列が起こること、これによって臨界温度の低い(2212)相が電気抵抗率の大きい(2223)相に変換すること、照射によって界面にアモルファス膜が生じる一方で、界面の微細クラックが消滅すると考えることによって統一的に説明することができる。